続・Wuppertal留学日記

2016年10月から2017年3月頃まで、再度留学する機会に恵まれました。前回に引き続き、大学の様子や体験などを書き残していこうと思います。

語学以外の準備の話

・航空券

前回留学時は旅行代理店を通じて航空券を手配してもらいました。確かFinnairの往復券を購入し、到着日のホテルなども取っていただいたはずです。値段は12万円ほどだったでしょうか。往復券の方が安いということで、往復チケットを購入して復路をキャンセルするという形を取りました。

今回は自分でやってみたかったので、オンラインで安いチケットの購入を目指しました。まずHISのサイトで希望する日程の安めのチケットを探し、その後見当をつけた航空会社のwebサイトから直接購入するという方法を取りました。

できるだけ早めにドイツに渡航してしまいたかったのですが、Wuppertalの大学寮の受け入れが10月4日からだったため、そのあたりの航空券を探すことになりました。(今年は10月の1日・2日がちょうど週末と重なっており、また10月3日はドイツでは東西再統一記念日で祝日なので、三連休になってしまっていたのです。)

あれこれ比較してみた結果、10月4日発-5日着のエミレーツの便を選びました。21時過ぎに成田発、ドバイ経由で5日の13時30分頃にデュッセルドルフに到着するという便です。到着地はやはりデュッセルドルフが近くて良いと思います。デュッセルドルフ空港からWuppertalまでは乗り換え一回(デュッセルドルフ中央駅)で済みますし、1時間もかかりません。電車賃も6€程度で済みます。

肝心のお値段は70,330円でした。学生の身である私にはいずれにしても大金ですが、ドイツ行の航空券にしては安くとれたのではないでしょうか。

航空券手配は自分にとっては慣れない面倒な作業だったので、留学決定後もしばらく手を付けておらず、出発前一カ月を切った9月13日になってようやく購入しました。

・ 荷物

荷物の準備は前回かなり手間取った覚えがあるのにも関わらず、ほぼ出発1週間前まで手付かずの状態でした。

前回は一年でしたが今回は半年ということで若干準備が楽なのでは...?と甘く見ていたためにそんなことになっていたのですが、結局今回も手間取るという無様な有様でした。

前回の留学時は、「ドイツはかなり寒いに違いない」と思い込んでいたためモコモコした上着系統の服を詰め込もうとして苦労しました。スーツケースがパンパンで重量オーバー気味だったのを覚えています。ですが、結局ドイツに着いてみて耐えられないほどの寒さの日は数えるほどしか経験しなかったため、まともに使わなかった上着もあり悔しい思いをしました。そんなわけで、今回は作戦変更で荷物を減らすことにしました。

ヒートテックなどのインナー防寒服をしっかり用意して、上着は小さく折りたためるダウンジャケットなどに限定して持って行くことにしてみました。その結果、前回よりはスーツケースに余白ができ、いろいろとお土産の類も持って行くことができるようになりました。

他には、洗面関連用品や常備薬といったいわゆる旅行道具の他に、ゴアテックスのカッパなど、前回旅行時に役立ったものも持ちました。

電気系統としては、コンセントの変換プラグをいくつか用意しました。PCや携帯電話の充電器は変圧機能を持っていたので、変圧器の類は今回は持ち込みませんでした。

また、研究用の資料や本もいくつか持って行くことにしたのですが、紙ものは結構かさばってしまう上になんだかんだで重いので、重要度の低いものは必要な部分をピックアップしてスキャンし、データで持って行くことにしました。これでかなり荷物を減らすことができたような気がします。

それから、重要書類一式はすべてスキャンした上に印刷してファイリングしたうえで手荷物として持って行くことにしました。こればかりはなくしてしまうわけにはいきませんし、ドイツ到着までに入管で提示する必要があったりするのです。

特に、以下の書類はクリアファイルにでも入れてすぐに取り出せる手荷物として持っておいた方が良いでしょう。

  • 入学許可証
  • 入寮申請書
  • VISA取得のための経費負担証明書

このあたりのものを持っていないと入国時にちょっと怪しまれてしまうかもしれません。

・防犯

準備による防犯

防犯対策は前回渡航時と全く同じことをしています。前回はこれで何も問題はなかったので、今回も大丈夫だと思います。

  1. 財布や携帯電話などの貴重品はチェーンストラップを付けて上着のジッパーやベルトなどに留めておく。
  2. お金は三か所に分散して所持し、仮に一つ盗まれるようなことがあっても何とかなるようにしておく。
  3. パスポートや非常用のお金などはウエストポーチ型の貴重品入れにまとめておき、外から見えないところに身に着ける。
  4. パスポート、カード関連の情報はスキャンしてデータでも所持しておく。

ということで、財布を二つと貴重品入れ、それからチェーンストラップを用意しました。物としてはこれだけあれば十分ではないでしょうか。

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▲どれも服などに紐づけできるようにしてあります

 

心がけによる防犯

心がけとしては、一般的なことかもしれませんが以下のことを意識しています。

  1. 鞄やリュックサックは極力身の回りから離さない。レストランなどでも置きっぱなしにしない。
  2. 電車内では荷物を網棚に置かない。膝の上に置いて、眠りたい時もリュックを抱いた状態で寝る。
  3. 小銭はポケットに少しだけ入れておく。(「恵んでくれ」としつこく言われたりしたときに財布を出すのは危険だから。)
  4. クレジットカードを利用する際は、スキミングなどの恐れがないような信頼できるところを選ぶ。例えばATMを使うにしても、銀行に設置してあるものをなるべく使うようにする。

以上のような感じです。

前回留学時の印象ですと、ドイツ国内は基本的に治安はよく、特にWuppertalを始めとした田舎町は安全だと感じました。しかし、帰国してから2015年末のケルンの事件があったり、ミュンヘンでのテロがあったりときな臭くなってきています。テロに巻き込まれてしまったらもはやどうしようもありませんが、意識で防犯できる部分は徹底したいと思います。

 

制度による防犯

私の所属する大学では昨年度?からOSSMAという危機管理サービスへの加入が、留学生に対して義務付けられたようです。前回は存在しなかった手続きですので、このサービスが今後どのように留学生活に対して影響を与えるのか私にとっては未知数ですが、調べてみるとあちこちの大学で導入しているようです。

家族や学校に対して渡航者の安否を知らせたりしてくれるほか、渡航先で何か困ったことがあった際に電話等で相談させていただくことができたりするそうです。つまり、大学の国際交流課がこれまでやってくださっていたことを、よりガッチリした体制で外部の団体が肩代わりしてくれるようになったということでしょうか。

なんにせよ、加入は義務となっているため半年分の料金を支払い契約することになりました。

契約することで危機管理パンフレットのようなものをいただけるのですが、テロ対策などにも触れられていました。

曰く、

「 自爆犯は爆発物を固定したベルトを装着していて動きがぎこちなく、夏場でも厚着をしている」

...そういうものなのですね。

「多くの人が集まり、テロの標的になりうる場所には長く留まらない。周囲の状況を見極め、危険を感じたらすぐに逃げる。」

...確かに。

「銃声や爆発音を聞いたらまず伏せる。安全なところにとどまるか、音がした方と反対に逃げる。テロリストが銃の再装填をするなどの隙を生かして逃げる。」

...な、なるほど...。

なんだか訓練を受けていないと対応するのが難しいようなことが書かれていますが、知らないよりも知っていた方が良いことは確かでしょう。

でもあれですね。日本では避難訓練は結構しっかりやっていますが、時勢に合わせてテロ対策訓練なども学校でやっても良いかもしれませんね。

例えば、銃の乱射が近場であったとしてもとっさに伏せることができる人は少ないのではないでしょうか。まず日本人にとって銃は身近な存在ではないですし、音を聞いたところでとっさに銃声だと判断できる自信もありません。「花火かな」とか言って、のほほんとしていてしまいそうです。仮に銃声だと分かったとしても、あっけにとられてしまいそうで、反射的に伏せたりできる気がしません。

いっそのこと、「何かあっても悔いが残らないように、事前に遺書をしたためておきましょう」とかアドバイスしてくれた方が心中穏やかだったりするのではないかと思うくらいです。

 

...冗談はさておき、準備として行ったことはおおよそこんな感じです。

 

(2016/10/9追記)

・経験者の話を聞く

一つ大事なことを書き忘れていました。出発直前に、今年の夏まで留学していた友人から話を聞いてきたのでした。彼が出発する前は私が体験談を彼に伝える側だったのですが、今回は逆の立場で色々教えてもらうことができました。

お互いに思い出話ができればいいな、という軽い気持ちで飲み会をしただけだったのですが、思いのほか得るものが多かったのでここに書き添えておきます。

二年前の留学体験は、私の体内時間では昨日のことのように感じる部分もあるくらいなのですが、二年という歳月で変わってしまうものもたくさんあるようです。まず、町の様子が大きく変わっているらしく、「どこそこのナントカいうお店のケバブがおいしい」という話をしていても会話がかみ合わない部分がありました。残念ながら、私のお気に入りのお店は今や跡形もないという噂です。

また、VISAの手続きが非常に簡略化されたのだそうです。彼の話によると、現地の国際交流課に申請を委託(?)するような形で、自分で外国人局に赴くことなく手に入れることができるのだとか。てっきり移民問題等々で審査が厳しい方向に変化しているものと思っていたのですが、真逆のようです。厳しく審査をしていたら捌ききれないほどの人数が押し寄せているということでしょうか。

なんにせよ、分かっているつもりだったことがあれこれ変化しているということなので、慢心せずに気を付けて臨みたいと思います。やはり常に最新の情報を仕入れるべきですね。諸手続きについてはこのブログにも可能な限り書き残していきたいと思っていますが、もしかすると来年には「昔はそうだった」という程度の情報価値しか持たなくなっている可能性もあるわけですね。彼らのおかげで思い知らされました。

そんなわけですので、もしWuppertalへの留学を希望してこのブログを覗いている方がいらっしゃいましたら、ぜひとも直前まで留学をしていた人の話を重点的に聞いておいてください。協定校から留学する方ならば国際交流課などを通じて留学経験者に連絡を取ることができると思いますので。

それでは。