続・Wuppertal留学日記

2016年10月から2017年3月頃まで、再度留学する機会に恵まれました。前回に引き続き、大学の様子や体験などを書き残していこうと思います。

2016年12月23日(金):曇り Mainzへ

今朝は8時頃目を覚ましました。昨晩の作業がほぼ徹夜になってしまい、ほとんど眠ることができませんでした。


クリスマスの数日間は、二年前にお世話になったMさんのお宅にお世話になることになりました。Mさんからご招待いただいたことと、日本の大学の先生からMさんのお孫さん宛のプレゼントを頂いていたため、そういうことになったのです。
が、Mさんの町は尋常ではないほどの田舎町であり、電車でアクセスすることは不可能です。そこで、近場の町まで電車で行き、そこまで迎えに来ていただくということになりました。

10時前の電車でBonnへ向かい、そこから乗り換えてMainzまで行くつもりでした。Mainzには、これからクリスマスを過ごさせていただくお宅の息子さんが来ているとのことで、まずは彼と合流しようということになっていました。

が、昨晩シャワーも浴びずに着の身着のままで寝ていたため、朝しなければならないことが思いのほか多く、電車を一本遅らせることになりました。
それでも最終的な到着時間はさほど変わらない便があったため、なんとかなりそうだったのです。

道中はほとんど眠っていたため一切記憶がなく、Mainzについてから激しい空腹感に見舞われたのが今日の最初のイベントでした。Mainzでは駅前でクリスマスマーケットが行われていました。そこでカレーヴルストを食べていたところ、息子さんから連絡が入り、駅のスターバックスで合流することになりました。

息子さんとそのお姉夫婦さんと合流し、しばらくおしゃべりをしていたのですが、彼らは普段英語で会話しているようでした。私も英語での会話を試みたのですが、最近ドイツ語と日本語しかほとんど利用しておらず、ほぼ会話が成立しませんでした。かといって、ドイツ語に切り替えようと思っても、一度英語で考えようとしてしまうと今度はドイツ語が出てこないという状態で、コミュニケーションの手段を失ったような気分になりました。

私はてっきりこの後にMさんのもとを訪れることになると思っていたのですが、彼らから「二つの選択肢がある。ここに残って、Okiniiというお店で晩御飯を食べて一泊するというプランと、これから直にMさん宅へ行ってそこで一泊するというプランの二つだ。どうするかは君次第だけど、どう?」と提案されました。まさかそんな展開になるとは。Okiniiはおそらくデュッセルドルフにあるのと同じ店なのですが、息子さんのお気に入りの場所だということだったので、Mainzで一泊するプランを選びました。

ところが、予約を入れようとしたところ既に一杯で、Okiniiという選択肢を断たれてしまいました。仕方なくExtrablattというチェーン店のカフェに行ってハンバーガーで夕食を済ませました。店の前が広場になっており、ちょうどクリスマスマーケットをやっていたのですが、今日の2030時でマーケットは完全に終了するとのことでした。11月末から長々と続いていたマーケットも遂に年貢の納め時というわけです。ようやく気楽に観光できる日がやってきたと思うと嬉しいのですが、若干寂しさも覚えます。

帰ってからは息子さんとお姉さんがプレゼントの梱包などをしていました。私は今日は英独両言語ともまったく自信を失っており、まともにコミュニケーションをとることができずに悔しい思いをしました。それに、大して親しくない人の家にゲストとして招かれた際の振る舞い方というものがまるでわかりません。Mさんと息子さんとは親しく会話ができる仲なのですが、お姉さん夫婦とは貌だけは知っているという程度の仲です。今回泊まらせていただくことになったのは娘さん夫婦の家であったため、私としてはほとんど知らない人の家に居候しているような気分だったのです。

自分のコミュニケーション力の低さというものを、言語および態度の両面から実感しました。言葉を話すことができても振る舞い方が分からなければどうしようもありませんし、また振る舞い方を知っていても言語力がなければやはりお手上げでしょう。両者は密接に結びついていると思うのですが、今日の私にはどちらもありません。いや、"今日の"などという注釈をつけるのはある種の見栄で、もともとどちらのスキルも大して高くなかったというのが実態かもしれません。

自意識としては英語もドイツ語もそこそこ話せるようになってきたと思っていたために、己の傲慢さと甘さを思い知りました。計一年半ほどもドイツにいてこの程度とは!

息子さんは気を遣ってか、いろいろお話しをしてくれました。彼の得意な数学関連の面白い話をあれこれ聞かせてくれたのですが、語学力に加えて今度は数学的知識や教養がないことも相まって、私はただ相槌を打つことしかできなくなってしまいました。

これほど会話に困ることになろうとは...。