続・Wuppertal留学日記

2016年10月から2017年3月頃まで、再度留学する機会に恵まれました。前回に引き続き、大学の様子や体験などを書き残していこうと思います。

2016年12月15日(木) クリスマス授業

今日は朝の授業でプレゼント交換会を行い、またクリスマスソングを皆で歌うという不思議な形で一日が始まりました。

プレゼント交換という仕組みを考えた人はなかなか天才的だと思います。これだけシンプルでわくわくするイベントはそうそうありません。プレゼントを開けるまでの期待感と恐怖はほどよいスリルです。

クリスマスソングは、ドイツで有名なものを数曲教えてもらいました。「Oh Tannnenbaum」や「Stille Nacht」は日本でもおなじみで、大して真新しさもありませんが、全く聞いたことがない曲もそこそこありました。
Stille Nachtは、「戦場のアリア」という映画を見てから、私の中でクリスマス休戦のイメージソングになってしまっています。

1コマはそんな感じだったのですが、2コマと3コマはまさかの通常授業でした。最初の1コマですっかり気が抜けてしまっており、ほぼ全く集中できないというありさまでした。

授業後は友人からEssenに遊びに行こうと誘われており、最近毎週恒例行事と化しつつあるクリスマスマーケット巡りをすることになりました。

Essenは一度しかいったことがなかったので、まだまだ新鮮味があります。特に中央駅近辺はほとんど出歩いたことがありません。

ところで、いつも利用しているWuppertal-Steinbeck駅にも記念碑を見つけました。見慣れてしまって風景と化していたのですが、近づいてみたらユダヤ人移送にまつわる碑でした。

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▲面その1。

「Wuppertal-Steinbeck駅から1941年・1942年にかけて1000人以上のユダヤ人市民が移送され、それによって死を迎えた」

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▲面その2。「犠牲者の追悼のために。」

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▲面その3。「IZBICA / LITZMANNSTADT / MINSK / RIGA / THERESIENSTADT」移送先の地名です。

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▲面その4。「生きているものに警告するために」

これはMahnmal(警告碑)と言ってよいのかもしれません。

前回ニュルンベルクのナチドキュメントセンターに行った際に、DB(Deutsch Bahn)が送った碑が飾られていました。ドイツ鉄道がかつての強制移送に協力したということから、企業としてこうした記憶を残しているということだったと思います。この駅の碑も同様の理念で作られたものなのではないかと思いました。

 

さて、話をEssenに戻しましょう。最初はGelsenkirchen地区を見に行ったのですが、このあたりのマーケットはまぁ寂しいもので、とりたてて面白いものもありません。Primarkのセールで激安セーターが手に入ったのが収穫でしょうか。せいぜいその程度です。

が、中央駅近辺は"International Markt"と称されており、他の町にはないような他国の料理を提供している店や、変わったお菓子などを扱っている店が並んでいました。もうクリスマスマーケットは大体パターンが分かってきたつもりだったのですが、これは面白いということでのんびり見ていくことにしました。

店以外に目についたのはストリートミュージシャンです。
スコットランドの民族衣装を着こんでバグパイプを演奏している方がおり、それに驚かされました。バグパイプを生で聞いたのは初めてだったので、ささやかな感動を味わうことができました。

クリスマスマーケットはうんざりするぐらい広範囲で行われていたので、適度なところで切り上げて帰ることにしました。

帰宅後は、木曜恒例のKneipへ行きたかったのですが一つ片付けなければならないことがありました。明日の朝ドイツ語コースで料理を持ち寄ってクリスマスパーティをするということになっていたため、何か和食を作らなければならなかったのです。困ったときの肉じゃがということで、慌てて調理を勧めました。先日カレーのためにかった大鍋が早速役に立ち、自分の夕食分、明日のとりわけ分を除いてもまだ有り余る量が出来上がりました。

実は、今日のKneipは今年最後の集まりです。よく遊んでくれているポーランドの彼が実家に帰る前に一度家に招いて和食を振る舞う約束をしていたので、今日それを済ませてしまう予定でした。
Kneipに行くのがだいぶ遅くなりましたが、彼を連れてくることができたのでとりあえずは目的達成です。ついでに彼がいつもちょっかいを出している他の日本人たちもついてきたため、ちょっとしたパーティになってしまいましたが、ワイワイできて楽しかったです。

これで彼への義理も果たしたし、憂いなくクリスマス休暇に入れるような気がします。