続・Wuppertal留学日記

2016年10月から2017年3月頃まで、再度留学する機会に恵まれました。前回に引き続き、大学の様子や体験などを書き残していこうと思います。

2016年12月18日(日):曇り ミュンヘン記念碑とNürnberg裁判博物館

目覚まし時計をセットしたうえで眠りについたはずなのですが、目が覚めたら既に10時30分を回っており、ホテルのチェックアウトの制限時間ぎりぎりになってしまっていました。

バタバタと荷物を整え、ホテルを出たのはちょうど11時頃でした。本当はミュンヘンを半日観光してからニュルンベルクへ向かう予定だったのですが、午前を失ってしまったため前半の観光計画をごっそり削りました。

Hofgartenというところに戦争記念碑があるということだったので、Marienplatzで普通のクリスマスマーケットを眺めつつそこへ向かいました。
クリスマスマーケットでは白ソーセージを見つけました。ミュンヘン名産品ですので、どこかで食べたいと思っていたのですが何とか機会を得ることができました。

Hofgartenの前には将軍廟という大きな記念碑が建っています。

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▲将軍廟

ミュンヘン一揆などと関連して名前を聞いたことはありましたが、前回訪れた際にはここには来ていませんでした。写真で見た際は小さな施設かと思っていましたが、実物は巨大で存在感がありました。また、将軍廟の正面の通りに凱旋門が建っており、昨日夜訪れたミュンヘン大学へとつながっています。ようやくミュンヘン中心地の地理というか、各種施設の位置関係がつかめてきました。といっても後数時間でさようならなのですが。

Hofgartenは議会の建物に面した大きな庭です。ここには、期待していた戦争記念碑の他、ゾフィー・ショルの碑も建っていました。大きな街は記念碑であふれており、もはや胃もたれ気味です。昨日のFürstenfeldbruckは寂しい限りでしたが、賑やかならば良いというものでもないなぁと感じました。

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▲なんとこの碑に刻まれているのはゾフィー・ショルが作っていたビラの文面なのだそうです。昨日見つからなかったものがこんなところに記念碑として置かれていたのです。

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▲戦争記念碑は斃れた兵士をかたどった、陸軍顕彰碑型の像でした。

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ミュンヘンの斃れた英雄に捧ぐ...というようなことが書かれています。

その後は、美術館近辺にオベリスクとナチっぽい建築物が建っているというYさんたちの情報に従い、そのあたりへ歩いて行ってみました。確かに仰々しい建物が乱立していました。

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オベリスク

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▲ナチっぽい?建物

じっくり見てみたいところでしたが、ニュルンベルク行の電車の時間が迫っていたために速足で中央駅へと戻りました。

が、寸でのところで乗りたかった電車を逃してしまいました。まだチケットを購入していなかったのが救いでしたが、これを逃すと新幹線(ICE)を使う他なくなってしまいます。当初乗る予定だったものより30ユーロほど割高ですが、仕方ありません。今回初ICEです...不本意ながら。

ニュルンベルクに到着したのは15時頃でした。今回は行きたい場所をピンポイントに絞っていました。まずはニュルンベルク裁判の博物館です。中央駅から地下鉄で数駅なので、アクセスはかなり良いところにあります。

外見は非常に地味な建物なのですが、当時の法廷も残されており見応えがありました。基本的にはパネル展示によって戦後処理から裁判の経過、また判決と政治的思惑などについて解説されているのみなので、いわゆる"モノ"は少なかったです。連合国が収集した資料をニュルンベルクに送る際に使ったという木箱と、訴追を受けた第三帝国軍人・官僚らが法廷で座っていた長椅子の二つが、物質的な展示として目を引くものとなっていました。

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▲近場のいたずら書き。Nazis Haun!...Haunって何でしょう?

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▲裁判所博物館手前の看板。非常に目立ちます。

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▲右手奥に見えるのが裁判所だった建物です。

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▲連合軍の文書輸送用木箱

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▲例の長椅子

パネル解説は概要をなぞったものではあるものの情報量が豊富で、じっくり読んでいたらかなりの時間過ごすことができそうです。私は興味のあるところを除いて読み飛ばしてしまいましたが。

最後のエリアには東京裁判についてもちらっと触れられていました。また、今日の国際裁判所などにまつわる展示もあったようです。この辺りは一瞥をくれた程度でほとんど見ていません。
法廷は当時のままなのか、修復されてこうなっているのかわかりませんが、実際に中に立ち入って見物することができます。

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▲法廷の中身

帰りに裁判関連の資料をいくつか入手しました。学部の卒業研究で少しだけニュルンベルク裁判の判決について調べたことがあるのですが、二次資料的な書籍しか使っていませんでした。実際の答弁や発言内容を読んでみたかったのですが、ちょうどそれ関連の本を手に入れることができました。

前回この街を訪れた際は、党大会跡地のLuitpoldhainとそこに併設された資料館しか訪れていませんでした。党大会と裁判跡地を通じてナチスの盛衰をひとたびに見ることができるため、このあたりに興味のある方はニュルンベルク観光は一押しです。どちらの施設も展示・解説が詳細で丁寧ですし、また図録として販売されている資料もそれなりに読み応えがあります。

その後は、中心地に戻ってクリスマスマーケットを見に行きました。ニュルンベルクのクリスマスマーケットは有名なので、どんなものなのかと期待していましたが、観光客でごった返しておりうんざりです。売られているものは大体どこも一緒なのですが、この街の特産品はLebkuchenというお菓子と、ニュルンベルガーソーセージです。どちらもマーケットでも食べることができますが、クリスマス時期以外でもレストランや専門店で購入可能です。そのため、クリスマスの時期を外して遊びに来たとしても問題はありません。

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▲人混みとはまさにこのこと

そんなことよりも尋常ではない観光客の数が問題です。日本人もたくさんいたようで、時折日本語も耳に入ってきました。異国情緒もへったくれもありません。一つ勉強になりました。最近観光がやけにつかれるので不思議に思っていましたが、半分くらいクリスマスマーケットが原因であるように思います。この季節はどの町に行っても常に人混みの中にいることになり、気疲れします。いっそ早くクリスマスマーケットが終わってくれれば...とさえ思い始めました。

帰りのバスまでまだ時間があったのですが、中央駅に戻って喫茶店で待機することにしました。最近旅行をしていてもワクワクするようなところに行きつくことがなかったのですが、今日のニュルンベルク裁判博物館は楽しむことができました。旅行疲れはありますが、来てみてよかったです。